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[コメント] ハレルヤ(1929/米)

登場するのは白人好みの黒人ではないかという批判的な観方を強いられる複雑な作品。ゴスペルの狂乱など見ていると、なぜアフリカン・アメリカンはこれほどまでにキリスト教を受容したのだろうと、不思議でならなくなる。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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しかし現代では直情径行や性的放縦などの描写は、白人を主人公に幾らでも撮られているのであるから、ダニエル・L・ハインズの造形は人間の捉え難さを描いた先駆的な作品と評価されるべきだと思う。アメリカの文脈ではなかなかそうは云えないのだろうが。

本作、印象に残るシーンは多い。冒頭の夕餉で子供たちが披露するダンスにあわせて奏でられるバンジョーの殆どアバンギャルドな演奏、ダニエル・L・ハインズの歌の数々(特に綿花の梱包作業の際に歌うWaiting at the End of the Road)とムーン・ウォーク(!)、ニーナ・メイ・マッキニーのウェイターを従えたダンス、鼻歌に歌うSaint Louis Blues、カッと瞳を見開いた絶命、そしてクライマックスの静謐。29年に撮られたとはにわかに信じ難い佳作。本当に『群衆』の1年後の作品なのだろうか。

(評価:★4)

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