コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] フロスト×ニクソン(2008/米)

辛気臭い政治劇かと思いきや、第一級の娯楽作、ぞくぞくするほど面白い。 そして、この映画のウソ→
天河屋

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実際のデイビッド・フロスト本人が、この映画に関して答えるインタビュー動画を観た。

フロストによると、映画の85%が事実で、創作は15%程度らしい。

記録として残っているインタビューの内容自体は、さすがに創作が加えられないにしろ、その他の部分は、ほとんど映画を盛り上げる為の誇張じゃねーの、なんて思いながらこの映画を楽しんだ自分的には、えー、結構ホントなんだぁ?とか、妙に関心した。

では、フロストサイドから確認できる、ウソの部分は、大きく2点。

1.ニクソンからフロストへの電話は、実際には無かった。

崖っぷち男たちの人生を左右する対決が、今まさに形勢逆転する、そんなクライマックスに相応しいキッカケを作りだすには、こういうドラマを導入するしかないと思う。うん、映画としては正しいウソだと思う。

2.フロストは、ニクソンと対決する以前に、硬派なインタビューの経験もあったらしい。

仮にそのとき、既に硬派なジャーナリストとしてのキャリアがあったとしても、映画的には、調子がイイだけの軟派テレビタレントが人生賭けて、大物ニクソンと激突する、そういう風に描いた方が絶対に面白い!そんな訳で、これも映画的には正しいウソだと思う。

---------------------------------

事実を元にした映画に、どういう風に創作を導入するかは、いつだって非常にデリケートな問題だと思う。たとえば、実際の戦争を描く映画なんかでは、いくら映画でも、やってはいけない創作なんてのもあるのではないか?

ただし、この映画に関しては、面白ければ、ある程度のウソもオッケーな設定だと思う、あくまで娯楽映画として存分に楽しませて頂きました。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)chokobo[*] イリューダ

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。