[コメント] チェンジリング(2008/米)
弱者の最後の望みの綱である純粋な母性の意地が、薄汚い社会悪の意地とはからずも対峙してしまい、抜き差しならぬ事態へと巻き込まれていくさまが実にスリリングだ。物語に込められた「責任」の遂行が「希望」を生み続けるのだという勇気ある未来志向に賛同する。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「責任」が入った箱をひとりで引き受けた女にとって、売られた喧嘩には必ずけりをつけることが、世間に対する自らの決意と立場の表明なのだ。明確な意思の表明があるからこそ、先が見えるのである。だからこそ、クリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)は、希望を捨てることなく、むしろ驚異的な持続力で希望を持ち続けることができるのだ。
1928年から1935年にかけての話である。ちょうど29年のニューヨーク発の大恐慌により、経済ががどん底の状態に陥り社会が疲弊しきった時期とかさなる。昨年(08年)からの社会状況にピンポイントで焦点を合わせるかのように、イーストウッドがこの「責任と希望」の物語を撮ったのだ、といってしまうのはちょっとうがち過ぎだろうか。
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