これってもう監督のセンスがすごい！自分にストックされた語彙の中では表現できない。驚いたし、なんか嬉しいし、とにかくすごいセンスだとしか言えない。

と、センスだけでまとめちゃうのはなんだか敬意を表してないような感じがするからもう少し詳細を。。。

音楽は良かった。悲しい現実なのに、それを乗り越えて前をしっかり見るような！そんなイメージの音楽がたくさん。

登場人物の表情がすごい。(またすごいとしか表す言葉がない。。)マツゲの一本一本までが役のそれだったような。それにしても、子どものあの可愛さズルいでしょ。

物語のはじめの方、スラムの中を逃げる子どもたちのシーン。一瞬にして映画の中に観客を引き込むカメラワークと色！これもセンスが光る。

と、ここまで言っといてなんですが、最後の最後までは☆４のつもりだった。 上記の良さは感じてたものの、映画観ていてたまに心に起こる衝撃みたいのが足りなかったから。 そしてそれは最後に起きた。

最初から気になってたのは、二人の「運命」ってやつで。 賞金がどうとかクイズがどうとかの前に、ふたりがどうなるのかが大事なところ。 だから映画のあとで後ろに座ってたおばさん二人が「でも問題どれも簡単じゃなかった？」とか言ってたけど、私にとってはそんなんどーでもよかった。（ちなみに一個もわかんなかったし） 「君を忘れたことなんて一度もない」なーんてセリフ、普通なら「ケッ何言っちゃってんの？」てなもんでしょ。でも彼があのピュアな目で言えば、「これマジで運命だよヤバイよ」ってなるの。

ギャングのお屋敷で再会したときに、「もう早くキスして結ばれて〜」って祈った。（実際にそのシーンで結ばれてたら映画的に落ちるかもだけど） その場の願いも届かず、最後の最後までふたりのキスを引っ張った。手法としてはベタかもしれないけど、そのワザにまんまとハマったのであります。

で、そこ！ 最初に観客である私達に向けて問題がだされたことすっかり忘れてたから、ラストのアンサー観たときゾクッとした。ヤラれた！ その瞬間に「ヤバイこれ☆５じゃん！」って。

いーなぁ、運命！(笑)あんなにピュアな人に出会ってみたい。。。