コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] DRAGONBALL EVOLUTION(2009/米)

原作を天下一武道会までしか読んでいないオレは、つまり非国民だと言いたい方もいらっしゃるわけだな。その非国民から観たところでは、まあ普通にアクションは楽しめるけれど、面白さもソコソコのハリウッド活劇の一本。それ以上のものではない。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「ドラゴンボール」連載開始時には自分はすでにオトナだったわけで、ファンでもアンチでもない「飯のタネ」として作品を見ていた。というのは子供向けジグソーパズルやスケッチブック、塗り絵などの絵を描く仕事をやっていたから。その会社との契約解消と共に、本を見ながら構図を考える必要性も消えたので、自然に部外者となったわけだ。(余談ながら、契約していた会社が好きなアニメをライバル会社に取られっぱなしだったので、この仕事などはまだ楽しいほうではあった)

で、この作品である。ブルマ、マイ、ピッコロ(フケ面は仕様がないか)などを除けば大体ミスキャスト。とくに亀仙人をはじめとする中国・韓国系の違和感は絶大。だいたい理由は明白なのだが、国辱的なキャラであり過ぎたことがキャラクター造形を別ベクトルに変えた大きな理由であろう。「ぱふぱふ」なんぞをやらせたら上映禁止は必至だろうからね。

まあそれはいいとして、悟空が天真爛漫な子供ではないということが物語の方向性を180度変えている。これはファンにはキツいところだろう。自分の見ていたマンガは、まだシリアスでも残虐描写満載でもない「子供マンガ」の頃だったし、後々シリアスになってゆく前兆がピッコロなのだとしたら、製作側にシリアス版「ドラゴンボール」リメイクの意図は確実にあったのだろう。ジャンプも「キン肉マン」から「北斗の拳」に看板作品が移行する段階の連載だったし。その意味では、最初のドラゴンボールの使い道が「ギャルのパンティ」ではなく「亀仙人の蘇生」だったのは示唆的ではある。鳥山明お得意の獣人キャラも姿を見せない、これは元よりシリアスな作品なのだろう。

でも、くどいようだが別にいい。鳥山明は絵の巧い漫画家だが、ストーリーテラーとして抜きん出ていた作家ではないし。見に行く気はないが、あからさまな引きゆえに続編を作ろうといいのではないか。何よりこれだけでは序章としての役割しか果たしていないのであるから。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。