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[コメント] グラン・トリノ(2008/米)

クリントイーストウッドのドキュメンタリー映画
いちたすに

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







たくさんイーストウッドの作品をみたわけではないですが、随所に確信犯的にこれまでの作品の引用をしているようにみえるし、そう思ってしまう。

タバコを吸っているのは『夕陽のガンマン』のように思える。たしかイーストウッドはタバコが嫌いで、夕陽のガンマンの葉巻はいやいや吸っている。 わざわざ小道具として有効に使っている。観ている私としては「あっタバコ吸っている」→「そういえばこの人タバコ嫌いじゃなかったっけ?」→「夕陽のガンマン」みたなことを思ってみてしまう。

ショットガン(みたいな長い拳銃)を構えるイーストウッドは『許されざるもの』にしかみえない。

拳銃は当然のように『ダーティーハリー』などなど

集大成の映画のような扱いで、たしかにその通りだと思う。そしてこの『グラントリノ』はイーストウッドの自伝のドキュメンタリー映画のように思えてならない。

以下 思ったこと

脚本はけっこうはちゃめちゃだったりすると思います。 もはや脚本だとかカメラワークだとか、そういうものもあまり関係なく、イーストウッド自身が奇跡の存在みたいで、ただただすごいと思ってしまいます。

この映画は基本的に文化の違いを感じてしまうけれど、根本的にはかわらないのだと思う。 「人間は怒りのよって行動するとよくないことが起きる」ということが主題にあって、『アメリカンヒストリーX』のようにも思えた。

怒ると頭が悪くなる、だから、あたまのよい解決をした。 そんなような映画です。

イーストウッド監督主演で、さりげなくとった作品をまたみてみたいです。ジャンカサヴェテスが『ビッグトラブル』を撮ったような感じで。

一人の映画作家の仕事をみられるのはとても面白いことだと思わせてくれる監督。

そうだ、グラントリノは完成度が高くない。完成度が高過ぎる映画よりも、まあまあの映画のほうが、実はなじめるのかもしれない。そんなことをおもわせてくれる作品だと思います。

(評価:★4)

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