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[コメント] 無法松の一生(1958/日)

クッチャクッチャ音を立てて食事をする人が嫌いな私でも、あの三船敏郎のらっきょの食べ方は男らしくてどことなく可愛いとすら思ってしまう。好きな男ならなんでも許せてしまう女の弱さかな。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







カラーの三船敏郎、初めて観ました。なんか新鮮。そして最近ずっとモノクロの邦画ばかりを観ていたせいもあってか、オープニングからの、カラーを思い切り活かすような映像、特にトンネルエフェクトが効いたトイカメラのような発色がとても印象的でした。

それから松さんというキャラは三船敏郎にものすごくよく合っていると私は思いました。冒頭の、松さんの話をするみんなの会話を聞いているだけですごくワクワクしてきました。本人が画面に映る前からこんな胸躍るような期待を持たせてくれる役者って本当にあんまりいないなーと思います。そしてそんな期待を絶対裏切らない男、三船敏郎。やっぱスゴイなー三船さん。(どんだけ好きなのって話)

そんな松さんは「こういうオッサンいそう!」ってキャラで、むしろ身近にいると鬱陶しく感じるような人なんですが、いなくなったらいなくなったで心に大打撃を受ける。そんな人。運動会での徒競走シーンでガッツリ心を持って行かれ、最後まで離してもらえなかったなぁ。太鼓を叩くシーンなんかは本当、無駄に胸を打ってくる。あんなに不要に見える必要不可欠なシーンて今の映画にはない気がします。すごい良かった。というか、なんで三船さんはあんなに素晴らしい体格なんだろう。あの鍛えられた二の腕を見ると胸がキュンとなる。あの体格があってこそ、このシーンは最高に良いシーンになったんだと思います。あの豪傑っぷりは必見。(隣で小さい太鼓を叩いてる人、三船の疾走感溢れる叩きっぷりについて来れてないし)

そして松さんの心を映したような車輪とBGMもとても良かったです。本当に走り続けた人なんだなーって印象付けるとても素敵な演出だと思いました。また、ふらふらになってたどり着いたのが小学校だったというのも泣かせる。子供が見つけた時には、松さんの上にまばらに雪が積もっていたところが時間の経過を感じさせ、ますます切なくなりました。イカン、また泣けてきた。ぅぅ…

ただ一つ、気に入らないところがあったとすれば、それは奥さんかなー。旦那様が亡くなった悲しみが観てるこっちに伝わってこなかったのが唯一残念だと思った部分です。

当時の日本は知らないし、昔ながらの良さってものがどんなものかも分からない私ですが、この作品にはそういう古い日本の良さが詰まっていると漠然とですが感じました。まさに心が洗われるような作品でした。私的に、若い人にどんどん観てもらいたい作品です。

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08.05.08 記

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)たろ[*] けにろん[*]

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