アニメファンはもとより様々なメディアで絶賛されたオリジナル。小説を元としたわけではなく作品本編がオリジナルであり、今回はいわば換骨奪胎を狙ったはずの実写化。

アニメというのは作為なしの完成品であり、それを実写化するというのは相当な覚悟であったはずだ。百歩譲ってもアニメをなかったことにした場合の評価など、あちらがなければこの作品は存在しないのだからありえない。

で、結果はどうか。「草なぎクンは頑張っていたね」が精一杯の評価だ。 シンイチはともかく、あの家族の存在意義が（アニメではあったのに）ほぼなくなっている。強いて言えば、自動車の活躍くらいでしかない。

それと、ほぼ流用された終盤の台詞群。同じ台詞が吐かれるたびにアニメの中の彼らが頭をよぎって仕方なかった。いっそ、大胆に変え、実写ならではの迫力は出せなかったのか。

不満はきっとそこだ。アニメの模倣から一歩も踏み出せてない覚悟だ。 アニメをなぞるだけの実写化。監督、それって面白いっすか？ 一縷でもアニメを越えた部分を観たくってオレは劇場に足を運んだんだ。