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[コメント] 炎上(1958/日)

吃り。差別されコンプレックス。劣等感と人間嫌いの悪循環。
マグダラの阿闍世王

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







さすがは三島由紀夫。あーでもないこーでもない、と考えさせてもらいました。

驟閣寺〜この世の汚いことをすべて忘れることができる。 尊敬する父が驟閣は美しいと言っていた。

老師が次第に変わってくように見えた。 女、拝観料。

苦しい生活に文句を言って暮らしていた母。 父を尊敬していない母。

コンプレックスの自己肥大化。みんながおれのことを・・・。みんなが。

とがり。かたわ、跛(びっこ)、躄(いざり)。コンプレックスの裏返しパワー。 「つんとすました高慢ちきな女の顔が 一瞬のうちに変わるありさまを見せてやる」

劣等感を自分の中で、どう解釈するか。

劣等感、人間不信、嫌なことが次々、・・・悟りきれず。

劣等感仲間のとがりに影響を受け、 溝口は行動する、という方向に。 考えるだけで自己主張ができるような感覚。 おれはやってやる。おれはやってやる。 悪いのはおれでなく、カネやオンナに欲を持ってる人間たち。 女に興味を持ちはじめたが、女はどもりを相手にしてくれないに きまってる。

誤解されている自分。老師はわかってくれない。未来はない。 老師を困らせるため、寺を焼く。 自分の手で、自分のアイドル=寺を始末。

劣等感と自己嫌悪vs自己肯定と美。自分以外が汚い人間に 思えてくるにつれ、自分が報われない悔しさを 世間をあっと驚かせる方法で表現し、自己正当化するわがまま。

人間は評価され生きている。自分の周囲からの評価が★1だと、 自我消滅の危機。自分では★3だと思ってるのに。

老師の講義。「碧巌録」なんせん和尚の話

母、鉄道自殺。 老師、托鉢。溝口、服毒未遂後逮捕、連行中列車飛降り。

どもり。なぜ、ばかにされるのか。聞き取りにくいから? 意志がうまく伝わらないもどかしさ。 変な顔をされる。

どもり。現代、どもりの人は増えてる?減ってる? どっちかというと減ってるような。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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