[コメント] エスター(2009/米=カナダ=独)
この作品は『オーメン』の亜流ではない。『オーメン』はホラーであり、オカルトだが、これは完璧なスリラー。真実に突き当たった瞬間、今の今まで親のエゴイズムに辟易していた観客は唐突に視点を180度変えられて、愛の力を信じようとする。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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親のエゴイズムをあぶり出し、この仕打ちはある種の天罰だというミスリードを観客に与えながらラストの真実まで疾走する。
悪魔の子供が大人を殺していくプロットは本来、ホラーにしか許されないが、
エスターが、問題を抱えるありふれた家族の中に紛れ込んだ異物として描かれ、
娘が聴覚障害である故の、音楽家の母親の失望感とアル中の過去、死産、夫の浮気など、
あらゆるエゴイズムを露出していく過程が見事。
結局はエゴイズムより愛が勝つわけだが、僕たちもそれが観たかったし、
まさかそんなものがこの映画のラストに用意されているとは思わなかった。
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