[コメント] ぼんち(1960/日)
金持ちというのは、その実はツマラン部類の娯楽に過ぎないことをサラリと一人のぼんちで表現しているところに巧さを感じる。余計な荷物を抱え込んで右往左往し自滅的だが家庭的に、穏やかに佇む一人の男の話にしては豪華すぎる、ところにこの作品の最大の面白さがある。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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風呂に入る女達から出る湯気が、人生そのものを現している演出だと感じた。湯気のように、上に昇ることによって薄くなりまわりの空気と一体化になる、その回帰現象に自分の今までの人生を重ね合わせて軽く総括したぼんちの姿が愛くるしい。
その経験を伝承するように見せかけて、自分の今を勇気づけるジジイの元気な姿が客を勇気づけさせるのは粋と言うしか言いようがないく、黒みが締める画面上に白く輝く扉の向こうに去りゆく時代を懐かしみ、胸にしまい次ぎに進む姿は逞しかった。
2003/10/9
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