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[コメント] 母なる証明(2009/韓国)

これぞ映画だと思う。良く出来ていると感じた。でも、気持ちよくなれない…。(2009/11)
秦野さくら

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







話が散逸しているようにみえて、実はファーストシーンに全てが集約されていたという驚き。中盤の「僕を殺そうとしたでしょ」と問い詰めるシーンは、たったワンシーンで、映画のトーンをがらりと変えてしまった。とにかく鳥肌の連続。全編通じて、面白いものを、新しいものを作り出そうとする情熱を感じ、映画とはこうあるべしと思わせた。

が、どうも私は、映画には、役者にもストーリーにも絵にも、もう少々スタイリッシュさを求めているようで…。では、「スタイリッシュ」とはなんぞやと問われると答えるのが難しいのだが…なんだろう、観た後、凄いなと思い、新しいなと思い、感心し、敬服はしたが、気持ちよくはなれなかったということである。例えば、ファーストシーンのおばさんが踊るシーンにはドキモを抜かれたが、爽快にはなれなかった。でも、同監督のグエムルは、トータル的にはいまいちな映画だったが、しょっぱなのグエムルがおっかけてくるシーンにはドキモを抜かれなおかつ爽快さを感じた。大画面では美しいモノが見たい。単純に言えば、そういったことである。

(評価:★3)

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