[コメント] 私は二歳(1962/日)
小ネタ満載、子育てコメディー。あるある系の面白さはいいけどやや散漫。森永ネタは少しやりすぎ。
似たような主題を扱っている『震える舌』はこの作品の苦労ネタの一つを拡大して引き伸ばしたといえるかな。 芥川也寸志の音楽が二作品に共通しているのも興味深い。
新生児と幼児とでは苦労の質が全く違うだろうし、『震える舌』と比較するのはそもそも間違っているかもしれないけど、 やっぱり野村芳太郎の方がうまいなあと思った。
一つのネタを飽きさせず2時間持続させる(震える舌)のと複数の小ネタを散りばめて繋げる(私は二歳)のとでは、 どちらが演出に技量が必要とされるかは明らかだろう。
それにしても冒頭の森永乳業の扱い方は森永砒素ミルク事件(1955年)から7年とはいえ、やりすぎ演出。
「牛乳飲みましょうね」「牛乳配達の人はネ申だわ。」云々・・・
だって事件を調べてびっくり。被害者12344人、死者130人以上ですぜ!
事件から7年も経たとはいえ、そんな大事件をネタにしてしまうとは恐るべし市川崑。 その商魂には少し背筋がゾッとしたぞ。商崑なんちって。
そういえば雪印乳業も食中毒事件起こしたけど、市川崑が21世紀版「私は二歳」として雪印をネタにするなら、夜泣きする赤ん坊に父親が「私は寝てないんだよ!」って怒鳴ったら母親が「こっちだって寝てないのよ!」って夫婦喧嘩する演出をして欲しい。
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