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[コメント] きみに微笑む雨(2009/韓国=中国)

相変わらず繊細で、むしろ細くなり過ぎて、グルッと回って鈍感になっている印象すらある。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







時差を修正するために腕時計の針を戻す所から映画は始まります。 「これは過去を巡るお話しですよ」と宣言しているわけですが、男と女とでは戻る場所が少々異なるようです。 男は学生時代の想い、言わば「楽しかった片想い」の場所に戻る。 しかし、女が戻った場所はあの瓦礫の下なのです。彼女の心は、まだ震災の爪痕残る街と同じなのです。

相変わらずホ・ジノの描写は繊細で、中でも空港で滞在を一日延ばす場面。 次の行動を考えるように周囲を見回す男。ホテルの部屋をとる男を待つ女の描写。部屋に入ったとたん、感極まって距離を縮める二人。はたまた竹藪に連れ込んでキスする描写。 あー、分かる分かる。男目線で観ても面白い。

やがて彼女の過去、心の傷跡が明らかになるにつれ、事態は繊細さを超えて“ベタ”になっていくような気がするのです。 実に優しい終わり方、過剰ではない“淡い”結末も、非常に繊細で美しいのですが、振り返ってみれば“ベタ”。

過剰なドラマを削り過ぎてシンプルになり過ぎた感じがする。

(09.11.29 新宿シネマスクエアとうきゅうにて鑑賞)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ひゅうちゃん[*] ムク SUM[*]

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