[コメント] アバター(2009/米)
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このおっさん(ジェームス・キャメロン)は文明嫌い、科学嫌いを装っているし、核戦争の恐怖を語ったりしているけど、その正体は全然ちがうとおもう。そもそも、嫌いならこんなにうまく描けないし、例え反戦思想や核への恐怖があるにしても、絶対たのしんでいるだろう。それをひしひしと感じる。
そして、このおっさんは脇役であねご肌の女傑をいつも描くよね。『エイリアン2』のマッチョねーさんと、キャラがかぶりすぎていて、もう、同一人物にしか思えないくらいだ。
映像が注目されるのもわけるけど、実はプロットの練り込み具合がすごい。まず、敵に取り入るという“潜入”という形式があり、また、主人公は足が不自由で“持たざるもの”だったこと。また、どちらに着くか選択する“葛藤”があり、最終的には“対決”がまっている。それぞれのプロットが最大限に活かされ、完璧に組み合わされているのには恐れ入った。
アバターにフュージョンするのは生体ロボットに乗り込むと見れば『エヴァ』っぽいともいえるけど、単に意識がバーチャル空間に飛ばされるという意味では『マトリックス』でもあろう。でも、もっとシンプルに考えれば、高速な神経パルスでネットワークを形成している巨大な星とは、ここ15年ほどで形成されたインターネット空間と見ることもできるとおもう。そうすると、自然物と情報空間が融合されているというのは矛盾するようであり面白い。
ただ、星に根づく生命体の種類がちょっと少なすぎはしないかということと、なぜか表面がつるつるで動きがおそまつな獣が多かったってのは残念。『ミスト』並の化け物がたくさん出てきてくれていればなぁ。
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