[コメント] キャピタリズム マネーは踊る(2009/米)
マイケル・ムーアが茶化しも皮肉もせず、正面から「危機」を語るというのはある意味で衝撃的。ひとまず政治家や各種評論家の耳障りのいい言葉を疑ってみることから始めたい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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資本主義に染まったキリストの台詞や"CRIME SCENE DO NOT CROSS"と書かれたテープを各種金融機関に巻くなど時折ものすごく早いパンチが飛んでくるので、そこにらしさを見ることは出来るが、本作では全体的にムーアは真面目でありあえてらしさを薄めている印象がある。
ムーアの主張はシンプルだ。デリバティブの例を出して「わからないものは疑え」と言っているし、ゴールドマン・サックス社出身者によって固められた財務スタッフを例に取り、「自分とその周りに利益誘導しようとする権力者には選挙という機会を通して鉄槌を下せ」と言っている。つまりは「関心を持て」ということである。自分が払った金の行き先に、手を取るべき仲間達に関心を持てということである。
斯様にしっかりとした作品ではあるのだが、やはりムーアらしくなく若干肩透かしだったのも事実。それほど遠くない将来を良いものにするために見ておいた方が良いとは思うが、あまり笑いは期待すべきではない。
(2010.01.09 tohoシネマズ川崎)
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