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[コメント] パリより愛をこめて(2010/仏)

トラヴォルタはハリウッド映画の擬人化だが、受ける側のマイヤーズもまたアメリカ人という設定だ(実際はアイリッシュだが)。会話も英語だし、むしろフランス的なるものは意図的に排除されているように見える。
shiono

付け加えればカシア・スムートニアックもポーランド人だし、仇役もチャイニーズやパキスタン人、終幕がアフリカ首脳国サミットという徹底振り。高速道路のカーチェイスではルノーが追突されていたが、主要なエンブレムもフランス以外の欧米車だった。

フランスの映画人には、ハリウッドアクションはこのように見えているということなのだろう。リュック・べッソンの『ニキータ』が『アサシン』としてリメイクされたことを思い出した。

本作は、オリジナルにもかかわらず、すでにハリウッドリメイク風の味付けがされている。ここで「リメイク風」としたのは、そこはかとなく漂う陰気なユーモアセンスにフランスの匂いを感じたからだ。このあたり、ヴェンダースともウォン・カーウァイとも異なるベッソンのアメリカ映画へのアプローチとしてみると、なかなかに興味深い。

(評価:★3)

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