コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] インセプション(2010/米)

いやいやマーフィー君、そんなに感動されても(苦笑)
カルヤ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







主人公が自分のやるべきこととは別の次元でうじうじ悩むのは好きではないが、あんなことがあったらそりゃ悩むだろう。なので悩むのは仕方ないと思うのだが、主人公があんまりうじうじするもんで、肝心のミッションが物語の本筋にはなり得てない、というのは問題では?

映画のクライマックスであるはずの“インセプション”のシーン、つまりはターゲットが父の最期の言葉に感動的な意味を見出すシーン、ここぞクライマックス!と言いたげに演出も大仰なあのシーンで、正直私は戸惑った。「いやいやマーフィー君、そんなに感動されても(苦笑)」と。

どう見ても監督が描きたいのは主人公夫婦のほうだから、あのなかなか大掛かりな“親子感動秘話”が、他者(観客含む?)に感動を与えるわけでも逆にバカにされるわけでもなく、ただの“ミッション”としてスルーされるターゲット。そして自分にも潜在意識として残るだけ。そんなターゲットって冷静に考えると結構赤っ恥な気がして気の毒だ。

そんなことを思ってしまったので、ラストが夢か現実かは、どうでも良い。

夢の中の夢の中の夢・・・という設定は好きだけどどうしても複雑になってしまうから、物語はもっとスッキリさせて欲しかったなあ。主人公に直接関連するミッションにしてもっと堂々とうじうじさせるとか。

ついでに謎の人物、斉藤さん。

まず善人か悪人かもわからないので依頼の「ライバル会社崩壊」が世間に良いことなのかどうかわからない(たぶんノーランにはどうでも良いのだろうが)。そしてライバル会社崩壊ぐらい自分でできたんじゃない?という権力と財力を見せつけてくる。さらに現場主義だとかでついてきたは良いが、勝手に死にそうになってチームに迷惑をかける。何なんだお前。

こんなつまんない役にしておいて「日本の至宝」はないだろ。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (3 人)ロープブレーク[*] 青山実花[*] けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。