ある意味、安心感を持って観ていられる映画。80年代から90年代に観た、古き佳きアクション映画そのまんま。

飛行機のドアを掴んだまま飛び上がるのはお約束だし、飛行中に機体から上半身出して銃を撃つなんてのもオッケーオッケー。どんな状況下でもヒロインは怪我をしないし、これでもかと降り注ぐ銃弾は主人公を避けて通る。そして本編は120分以内に収めてスピード感を。そう、これこそが愛すべきアクション映画テイスト。単純明快万歳。

失われつつある「アクション映画」というジャンルにこだわった「アクション俳優」スタローンに惜しみない拍手を送りたい。決して暴力容認するわけではないけれど、映画の中だからこそ表現出来る、訴えられるものがあっても良いと思う。人を斬りつければ血飛沫が上がり、銃で撃てば腕も首も吹っ飛ぶのは事実。世論の批判覚悟、R指定覚悟でも本物のアクションを描きたかったのだろう。スタローンが首を締め上げられて顔を真っ赤に鬱血させるシーン、あそこにこの映画の真髄を見た。

そうした心意気は評価して、ちょっと甘めの4点。でも、ストーリーはあまり期待してないとはいえ「（悪役含めて）皆、何のために命を懸けて戦ってるのかイマイチ見えない」という点は大いに気になるところ。この部分だけはきちんと描いて欲しかった。