[コメント] SPACE BATTLESHIP ヤマト(2010/日)
こんなのは判ってたことで今さら言うのはフェアじゃないんだけど、やはり木村拓哉の「現代の若者」ふう演技はきつくてオレは目を伏せてしまう。かつては木村氏も若く、彼の芝居が「現代風」にみえた時期もあったのだが、もはや彼の「若者はこんなんだぜ」という解釈がオッサン臭すぎて愕然とする。もう自分が若くないという事実を受け入れるわけにはいかぬ木村氏が、滑稽に見える。狭苦しいペラッペラの食堂セットで乗組員と若者風に空虚に盛り上がる木村氏。そして片隅で不機嫌にバーボンキメてる黒木メイサ! これはやはり、どれだけ優しい気持ちで見たとしても滑ったコント、幼稚な悪ふざけにしか見えない。あらゆる意味でメチャクチャなアニメ『宇宙戦艦ヤマト』にさえ、こんなにサブい瞬間はなかった。
白ヒゲつけたら津川雅彦みたいになった山崎努にやる気がなく、明らかにイヤイヤ台詞をしゃべっている。彼はガキの頃にヤマトに夢中になった世代ではなく、その親の世代。当時、子供がテレビにかじりついてくだらないテレビまんがに夢中になってるのを苦々しく思っていたのだろうな。なんで今さらこんな茶番につきあわねばならんのかと思ってるんだろうな。こういう人が一人いると、テキメンに温度が下がります。それなら津川でもええやんと思いました。
冒頭、「人類は地下に潜り」のナレーションで映るのがチンケな部屋のセットなのは致命的。まず地下世界の風景から見せるべきで、あとからCGの地下世界をワンカット出されても、チンケな部屋のチンケな芝居を見せられたときのガッカリ感、スケール小さい感、これはもう拭えないのだ。このような演出上のミスは全編にわたって多くあり残念だったんだけど、この映画の問題はそんな瑣末なことじゃないという気もすごくする。
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