[コメント] SPACE BATTLESHIP ヤマト(2010/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
1868年の明治維新。それまでチョンマゲ結って刀を腰に下げてた連中が、坂の上の雲を目指して到達した一つの地点。開国から100年経ない間に、バルバスバウなど世界最高峰の造船技術を駆使して日本人が作り上げたのが戦艦大和だ。世界の誰もがなしえない規模とスピードを日本人が実現したあかしが戦艦大和であり、その外郭を利用した宇宙戦艦ヤマトは、まさに日本人の魂に訴える作品といえる。
先日、とある下らない自己啓発セミナー的な会合で、私は講師に聞かれた「結果がどうなるかわからないプロジェクトの責任を取れますか?」と。私の答えはもちろん「誰かがやらなければならないのなら、やります」というものだった。講師は「そんなの責任取れるわけないじゃないか」という答えを引き出して「ね?現代日本人ってのは腰が引けててダメなんですよ」と言いたかったらしいのだが、ヤマト世代の私は、そんな下らない逃げはしないのだ。
「誰かがそれをやらねばならぬ」という事になれば、14万8千光年離れたイスカンダルだろうがアンドロメダだろうが、どこでも行っちゃうのである。
そんな前置きはともかく、キムタクの "Space Battleship ヤマト" を見てきたのである。感想はいろいろ残念なところもあるが、私としては非常に楽しんだ。
残念なところと言うのは次の点:
・宮川泰のサントラではなかった
・山崎努が明らかにやる気がなかった
・森雪が「古代クン」ではなく「古代さん」と言ってた
・「だって、古代クンが死んじゃう!」という渾身のセリフが聞けなかった
・島大介が活躍らしい活躍をしない
・時間の経過がちゃんと描かれていない
・なので「地球か、なにもかもが懐かしい」というセリフが活きてこない
・ドメル将軍が出てこない。彼は本来中盤の主役である
・カミカゼアタックやりすぎ
良かったところは次の点:
・キムタク古代君は髪型がアニメの古代君によく似ている
・ジャケットが革で出来ていて、安っぽくなかった
・CGは思っていたより若干グレードが高かった
・西田敏行の徳川機関長は意外に合ってる
・高島礼子の佐渡先生は、思っていたより良かった
・柳葉敏郎の室井さん的な真田さんはなかなか良かった
・ものすごいアナライザーに再会できてうれしかった
人それぞれ「ヤマト」には思い入れがあって、今回の "Space Battleship ヤマト" は受け付ける人も、そうでない人もいると思うが、私は十分楽しめた。
ただ、今回の「ヤマト」は決してベストではないというか、作品の魅力の神髄を理解した人が作っていないと感じたので、「忠臣蔵」とか「ベルサイユのばら」とか「サンダーバード」とか「座頭市」みたいに、「ヤマト」もいろいろな俳優やクリエイターがいろいろな方法でリメイクされる定番の演目になれば良いなとキムタクの「ヤマト」を見ながら思った。
しかし、「ヤマト」である限り、なんていうか評価点の甘くなる私である。
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