[コメント] ブロンド少女は過激に美しく(2009/ポルトガル=スペイン=仏)
英語タイトルは「Eccentricities Of A Blond-Haired Girl」。ブロンド少女のルイザは、通りを挟んだ建物の窓の向こうに、東洋風の扇子を持って登場する。以降、何度も窓が映される、本作も窓の映画なのだ。
また、窓以外にもドアや階段や鏡が印象的に使われる、装置の映画と云っていいだろう。ドアについて云えば、こゝでは開かれたドアは、そのショット(同一ショット)内で必ず閉じられる。それ対して、次作『アンジェリカの微笑み』では、開かれたドアは一度も閉じられない(同一ショット内だけではなく、そのシーンの間、ずっと開かれっぱなし)。これは題材による統一性なのだろう。本作が極めて現実的な、経済的な題材であるのに対して、次作は純然たるファンタジーだ。あるいは、ルイザの家の中だろうか、玄関正面にある階段の途中の踊り場に、ワイラーの『女相続人』のような大きな鏡があり、訪問客が階段を上ってくる画面で面白い効果を発揮する。
また、窓枠の中に上半身で登場したルイザは、後半になって、その脚が重要になる。主人公のリカルド・トレパとのキスシーンでは、二人のバストショットや顔のアップではなく、ルイザの足元のショットとなり、片脚を後ろに上げる所作で表現される。或いは、彼女の最後のカットは、椅子に座るカットだが、脚を大きく開くという所作の演出がなされている。確かにエンディングでの彼女の描き方は、急転直下で絶句する。エキセントリック過ぎるという感覚も持つ。
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