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[コメント] ストーン(2010/米)

もう少しうまく作っていれば「名作」になっていたかもしれない作品。
代参の男

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







人間の弱さ、もろさ、信仰と啓示、罪と罰、夫婦の絆などなど、切り口や訴えたいのであろうテーマは興味深い。

二組の夫婦がある。片一方は信心深い善人夫婦に見えるが、愛情があって繋がっているかどうか分からなくなっている。二人をつないでいるのは神への信仰か。   もう一方は愛欲で繋がっている夫婦か。妻は夫の仮釈放のために審議官を誘惑してまで手段を選ばない愛の深さと思いきや、じつはただ男と寝たいだけの妻か。

話の途中から、囚人と審議官の立場が逆転する。囚人は啓示に目覚め、自らの罪を認め人生を見いだす。一方、信心深かったはずの審議官は、自ら犯した過ちによって人生を見失ってしまう。ラストシーンはそんな虚無に陥った所で終わり、彼がこの先どんな人生を終えるのか分からない。

何が正しくて何が悪いのか。何が本当で何が虚実か。我々は常に迷える子羊である。

そんなメッセージを感じた。  けれど、作品としては中途半端な感じに仕上がっており、惜しい。

(評価:★3)

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