[コメント] GAMER(2009/米)
致命的なのは、「自らの身体を他者に操作される」という得意な設定が脚本に活かされていないこと。囚人とプレイヤーとの心理的な駆け引きも見られなければ、プレイヤーの優秀さというのが具体的にどのようなものか示されることもない。
「ソサエティ」で役者として他人に操られる人間に関しても、その葛藤なり、そうした不条理な立場に自らを置いた事情なりがドラマとして成立していないので退屈でしかない。
その舞台設定に加えて、些か狙いすぎとも思える映像のテイスト(質感&色彩)や、マーク・ザッカーバーグを凶悪化したようなネット長者を演じるのが「警察官は殺人鬼」なデクスター役のマイケル・C・ホールであることなど、美味しい要素が揃ってはいるのだが。さすがにカットを割りすぎ。これはアクションの連続性や空間性、また情動をも断ち切ってしまう。完全にPVかCFの手法だ。
ゲーム性という点でも、同監督の『アドレナリン』の方が遥かに巧く取り入れられていた。
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