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[コメント] 海炭市叙景(2010/日)

圧巻のエンドロール。 90/100
たろ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







登場人物全員が抱える問題が何一つ解決してない。けどラストである事に気付く。これは、いつか夜明けは来るとか愛が全てを救うとかあまっちょろい話ではないのだ。ただ、海炭に住む人たちの日常を切り取り、そこにあるどうしようもない温かいひと時を切り取っただけなのだと。しかもそれは突如やってくる。妹を見送る瞬間、年越しそば、プラネタリウムの少年に話しかける瞬間、見も知らぬ人にもらう一服、書きかけの望遠鏡の文字、無事帰ってきた猫と毛並みの柔らかさ、金はある謎の男、また帰ってくるよの一言、そして電車に揺られる少しの時間…温かくなるというか、生きてるなと実感する。そんな瞬間が散りばめられた150分。

エンドロールの文字量の多さにも圧倒され、観終わった後スゴイもの観たなと感じた。谷村美月が最初に出て来たのも驚いたけど、それぐらいの存在感は確かにあった。熊切監督は信頼があるんだろうな、立派な役者が勢揃いしてて力強い画面と相まって全体的に見応えある邦画だった。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ぽんしゅう[*] けにろん[*]

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