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[コメント] ザ・タウン(2010/米)

多少人物描写がおざなりの感はあるが傑作。ベン・アフレックを見直した。ロバート・エルスウィットの撮影も要所要所でキメている。
赤い戦車

**ネタバレ注意**
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キャスティングが絶妙。レベッカ・ホールジェレミー・レナーといった主演級は言わずもがな、ピート・ポスルスウェイトクリス・クーパーなど味のある人を脇役に起用したことでより深みを出すことに成功している。

伏線の利用法も手堅い。花屋と母親の死、ネックレスと元妻、レナーの殺人の理由、「ある晴れた日に」、食事中にレナーが割り込むところの、刺青がばれるかばれないかの緊張感。

監視カメラのテープを電子レンジに入れたり、漂白剤撒いたりといった強盗描写は斬新だし、『ヒート』っぽいリアル志向のアクションも出来が中々良くて好感が持てる。レナーが警察に包囲されて最期を悟り、道端のジュースを飲むところなど細部の演出も見逃せない。

また、ピート・ポスルスウェイトとの至近距離からの銃撃戦は「両者一歩も動かずその場で全弾撃ち尽くす」というもので凄まじい迫力だ。まるで西部劇のガンファイトのよう。この映画で一番びっくりした個所。ご冥福をお祈りします。

総合的にみて本作は傑作といえるが、ベン・アフレックがイイ男に描かれすぎなのは否めないし、最後逃げおおせちゃうのが人によっては受け付けられないかも。寄付したり最後の台詞で一応バランスとってるけどね。監督さん、カッコつけすぎちゃいます?自作自演でカッコつけて様になるのはイーストウッドぐらいのもんですよ?

余談:劇場版の尺は120分程度だが、どうもDVD版は150分以上あるらしい。冒頭で人物描写がおざなりと書いたが、実はかなりカットされているのではないだろうか?アフレックとレナーもしくは強盗団4人の絆、アフレックと元妻の関係・・・などなど、DVDが出たらまた違った印象を抱くかもしれません。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)Orpheus 煽尼采 3819695[*]

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