[コメント] 一日の行楽(1919/米)
ギャグ先行のパッケージが簡潔にしてまとまりのよいSO-SO作品
まるでディズニーアニメのポップコーン作品を見ているかのようなライトでテンダーなサイレントコメディ。エドナ・パーヴィアンスも主張なくチャップリンの脇にただ存在しているというだけでアットホームなムードが微笑ましい小品である。このバランスをずっと保つことができたら余程チャップリンのフィルモグラフィは豊かなものとなったでろうことが推測されるクォリティである。やがて映画はバジェットが膨らみ事業規模が大きなものになるにつれて、こうした良質な小品がインディーズの世界のものとなることが残念に思えてならない。チャップリンの至芸はこれら小品のギャグアクションに見るアニメーション的な技術に真髄がある。それこそボードヴィルで培った巧みな説得力であるし、数多のフォロワーを生む契機となった先達の努めというものだろう。映画のドラマティックな創作を模索する過渡期にあって演芸の醍醐味を新興メディアに刻印しようとするチャップリンのイノヴェーター精神に感服する一作である。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。