一途な性格が災いし、組織に利用され破滅ロードをひた走る山中（北大路欣也）。対照的に、親を親とも思わず私利私欲のみで行動する大友（千葉真一）。

後に『完結篇』で大友役を宍戸錠が演じています。ジョーが悪い役者なわけは無いのですが、どうしても『広島死闘篇』の鮮烈さには見劣りしてしまいします。それぐらいこの映画における千葉ちゃんは生き生きとしているからです。

悪趣味極まりない服装で身を固め、股座ボリボリかき、木刀をビシッビシッと振り回し、オウオウと恫喝三昧の遣りたい放題。そのくせ拳銃向けられるとビビって逃げ惑うセコさもまた愛らしい。

フレーズ展覧会とも言える仁義シリーズですが、中でも千葉ちゃんの「あれらはオメコの汁でメシ食うとるんで！」は一度聞いたら忘れられない名台詞。まさに声に出して読みたい日本語です。

ちなみに、この役を演じたことにより、当時の千葉ちゃんは女性からのファンレターが激減したそうです。何故だ、こんなにカッコイイのに！