[コメント] カリガリ博士(1919/独)
カラー､モノクロ､サイレントそしてカリガリ博士。演技については何も言えん｡
確かに歴史上有名な作品だ｡でも決して私が味わったものは先入観などに惑わされなかった｡
少々乱暴かもしれないが「カリガリ博士」は現代の映画から見て３段階の隔たりがあるように思う｡
映画の形式を大まかにカテゴライズすれば､カラー､モノクロ､サイレントの３つに分かれるが､「カリガリ博士」はそのいずれにも属さないのではないだろうか？言わずもがな表層的にはサイレント映画だが｡
カラー映画を仮に基準とする｡これはどんな設定であれ観客の視覚と殆ど差異はない｡そしてモノクロになると当然色彩の不在が起こり、サイレントになれば音声の不在が起こる｡
ではこの作品にはどのような表現が当てはまるのか? �犖充太�､理性､常識の不在�瓩覆描杁�するものはあるがなかなかしっくり来ない｡或いは�猊垪澂瓩任呂覆�逆に狂気・異常な映画ともいえるがどうだか。
ただ「カリガリ博士」は観客の観念を根底から覆すことのできる数少ない映画であることは確かだと思う｡全編を覆う異様なセットの数々！ゆがんだ建物はまるで悪夢のよう｡しかも登場人物たちは「カリガリ博士」という唯一無二の小宇宙に順応している｡あたかも無人島の生物が独自の進化を遂げるように｡
オリジナリティ｡誰が現在までこんな映画を思いついただろう?
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