但し、この舞台設定の要求に応えるのは極めて困難であり苦難だろう。そういった意味で矢張りポートマンを心から讃えない訳にはいかない。ミラ=クニス・バーバラ=ハーシー・ウィノナ=ライダーといった面々も求められた役をしっかり及第点でこなしているが、ヴァンサン=カッセルの演技が佳かった事が赤☆点の評価を決定した。

しかしこんな線の細い舞踏家でプリマをこなせるのか多少疑問だが、観賞中は充分説得力があった。ちらほら出てくるCGも画面そのものには不自然さが無く、技術の完成(到達点)を見た思いがした。

『赤い靴』と並ぶ名作と言っていいだろう。