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[コメント] マイ・バック・ページ(2011/日)

ベトナム戦争は早々と本国アメリカ映画で総括されたが、日本の学生運動は総括されていない。またこれも総括されなかった。(2011/12/24)
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ノルウェーの森』で最近チラッと学生運動が出てきますが、我々世代は学生運動を知らない。

学生運動の先に「何がやりたいのか?」という問いに答えられない。

洲崎パラダイス』に登場する優柔不断な主人公(三橋達也)に重なるジャーナリスト。(妻夫木聡)の姿を投影することで、いい加減なのがマスコミであることを示している。

学生運動が過激化することで、その反動が普通であることに流れようとする。

破滅の一歩は『ファイブ・イージー・ピーセス』を見若い男女の価値観の隔たり。女は泣く男が好きといい、男は泣く男はだらしないという。女性の感性も学生運動に影響しているのか。女性は組織のためではなく、男のために活動する。 そんな女性に迷いが生まれれば、男は女に「君のために戦う」とうそぶく。

茶番である。

真夜中のカーボーイ』のエピソードはリアルだ。ダスティン・ホフマンが泣くシーン。「あれは僕だ。」

所詮活動に経済が蠢いている。金がなければ何もできない。経済に翻弄され、活動が過激になるのは『実録・連合赤軍 あさま山荘への道』で露見される。

思想犯か殺人犯かで揺れるマスコミが子どもに見える。

地獄の黙示録』で最期にカーツ大佐が殺されるとき「狂気」と囁いた。

所詮、活動は狂気だ。

そういえば松山ケンイチは『ノルウェーの森』にも出てたね。

バックに流れる「恋の季節」や「天使の誘惑」、はたまた三島由紀夫の自殺などが出てきて臨場感たっぷりでした。

(評価:★3)

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