[コメント] 奇跡(2011/日)
これまでの是枝監督の子供を見つめるまなざしの温度を知っていたから、生ぬるさは感じたが、それでも、「大人の都合の中で生かされている子供」のリアリティーと、「でも大人はみんな君らを愛しているんだ!」というさりげない抱擁感が同居するいい映画。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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子供の冒険映画はほとんどが成長譚であるから、「子供だけの世界」の終わりを最後には描くことになる。
子供にはたくさんのものが見えたり、信じられたりする。
それをファンタジーとも言うが、是枝監督に期待したのはもう少しドライな子供の生命力。
そもそも今どき新幹線がすれ違う瞬間の奇跡を信じる子供という設定に、
説得力を持たせるのは至難の技という感じがする。
それでも、子供たちに夢を自由にしゃべらせたドキュメンタリータッチのシーンや、
子供に死を遠ざけなかった点(マーブルの死体と一緒に旅をする)などは良くて、
辛うじて凡百の冒険譚を免れたというところか。
弟役の子の、あの突き抜けた元気が、空回りするようなシーンも観てみたかった。
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