まさか火山の噴火とはね。その後のモンタージュとともに、久々に度肝抜かれた。

オダギリジョー、橋爪功、夏川結衣、長澤まさみ、原田芳雄など点描される脇役陣の充実ぷり。駅構内や山道、道路を子供たちが「走る」ことから発生する後半の高揚感。二人はよりを戻さない・犬は生き返らないなど、見える形で安直に「奇跡」を起こさなかった現実感覚も是枝監督らしくて好感がもてる。

また、題名の「奇跡」に関しては、彼らの旅そのものが奇跡だったのかもしれないし、結局起こらなかった、もしくはこれから起こるのかもしれない。もしくは普段の日常を生きてること自体が奇跡なのか。観客それぞれに想像させる余地があって良い。

本作において是枝監督のドキュメンタリータッチは概ね成功している（花火の場面は自然体としか思えない。素晴らしい！）と思うが、ただし、作為的な匂いを消せてない場面も少しあったのが残念。

以上の点を踏まえて4点と迷ったが、大好きな原田芳雄が出てるし子役が皆活き活きしていたので甘めに満点で。どうも子供が主役の映画には弱いんですよ。