[コメント] スタンド・バイ・ミー(1986/米)
この映画は、これを観た人全員の「懐かしき思い出」になるんです。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
この映画は感情の映画です。みんな死体を探した事はなくても、子供なりの冒険に出た事はありますよね。裏山の探検、廃屋の宝探し、ビルとビルの間を奥の方まで調べに行ったり。拳銃は持たなくても自分なりの武器は持ちましたよね。銀玉鉄砲、たて笛、木の枝。家に居場所がない「悲しみ」も、濡れ衣の「やるせなさ」もそう。主人公たちの抱く感情は、一つ一つがいつか僕らの抱いたあの感情なんです。
友達との別れも同様です。年を取る毎に友人は変わっていき、今では何をしているかもわからなくなっている。会いたいような、会っても何を話して良いかわからないような気持ち。映画では死という結末でその想いを昇華させ、「彼は変わってはいなかった」というラストに持っていきますが、これは悲しみではなく我々の夢なんです。「あいつら変わってないといいな」っていう。
子供の頃、みんながそれぞれの状況で抱いた同じ「感情」。喜び、悲しみ、笑い、恐れ、好奇心。そしてそれを思い出す時の同じ「感情」。シチュエーションではなく気持ちを描くこと、それにここまで成功しているから、この映画を観た様々な人達が、同じように「懐かしい」って思えるんだと思います。みんなの同じ感情を一つにして映画にした、だからこの映画は「みんなの懐かしい思い出」なんです。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (6 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。