[コメント] ゴーストライター(2011/仏=独=英)
終始どんよりとした鉛色の色調で統一。曇天映画好き(?)には堪らん。
船着き場におけるフェリーが、極めて映画的な場であることを実感する。冒頭、一台だけ取り残されたBMW。ゆっくりと開閉するハッチ。着岸・乗船を待つ人間と車。ここでも鉛色の空と海が寒々しい雰囲気を醸成する。
それにしてもサスペンス演出は完璧。冒頭の出版社での面接シーンから滲み込んでくる違和感。展開は淡々、チェンジ・オブ・ペースもなく進んでいくが、次第に違和感のウェイトが増していき、目を離せなくなっていく静かなるエスカレーション。カーナビという小道具でスリルを盛り上げる手管も秀逸。
ただラストはやや俗っぽくなってしまった。
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