[コメント] 5デイズ(2011/米)
映像の美しさと衝撃が、内容の悲惨さを逆写しする。戦闘シーンは過去に類を見ない。(2012/2/26)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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満点の作品だが敢えてケチをつけると音楽がウザい。というかうるさい。感情表現をいちいち音楽に頼るのはアメリカ映画の悪しき習慣だ。音楽などなくても十分この映画は成立している。
映画技法のことはともかく、このような映画を企画し映像化したことに賛辞を惜しみたくない。これは現実の物語だ。
政治的なことに言及したくはないが、北京オリンピック開幕の裏側でこのような悲惨な戦争が起きていたことすら我々は知らない。
きっかけがロシア側にあるのかグルジア側にあるのかは藪の中だが、これはアメリカ映画だ。アメリカの態度の曖昧さがこの戦争を無益なものにしている。つくづくブッシュという大統領は悪名高き大統領だと思う。
それにしてもこの事実を追いかける戦場カメラマンの存在も矛盾している。彼らも生きるために過酷な取材に挑む。だがそれは必ずしも正義とは言えない。あくまでも商売としての取材だ。
グルジアの大統領だって狂ってる。判断がぶれまくる。
もっと矛盾しているのは、この話で最もぶれずに意思を貫いているのはロシアだけだ。そのロシアが最も悪魔的存在として描かれている矛盾。
戦争がいかに矛盾に満ちたものであるかを、衝撃的に描く。
ロシアの大統領や首相を実名と本当の映像で出すなど、かなり過激とも思えるシーンも多く、劣悪な被害を被ったグルジア人を中心に据えた勇気は評価されていい。
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