[コメント] ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル(2011/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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普通、どんな名作でも「自分だったら、自分が監督だったらこうするのに・・・」という、ないものねだりの様なものが大体必ずあるのに、この作品にはそれが見当たらない。
例えばかつての『T2』『スピード』等は、アクション映画として「ここまできたかっ」と唸らせるものがあったけど、本作はその上に更なる工夫があって、これ以上何をすればいいのかという気になってくる。
何しろ、冒頭の逃亡劇に始まり、クレムリン侵入作戦・ドバイタワー登り作戦・インドの大富豪篭絡作戦などなど完璧に近い離れ業で、何よりそれが最後の最後で結局失敗するというのがたまらない。
隠し味として、冒頭の歩きながら暗殺娘など、ほぼ確信的に名作『スティング』後半の某登場人物をもじっていて(背景とか名前まで・・・)、「ほら皆さん、我々はこんな作品まで研究し尽くして本作に臨んでますよ」という声が聞こえてきそうだ。
私事で恐縮だが、自分はこのmi:n(n:整数)シリーズにはいまいち興味がなくって、本サイトの評価が高かったから見てみたのがホントのところで、いままで主人公が仕事だけの人という感じで、例えば0011ナポレオンソロの様な人間としての遊びの部分が少ない、ハンドルがカチカチのF1マシーンの様なとこが合わなかった。(同じトム・クルーズでも『ナイト・アンド・デイ』なら観てたのに)
ラストシーンから見て、製作者もこの点は十分気にしている様で、もしや次はmi:5ではなく『mi:カジノロワイヤル』とか、『mi:スタンダード・デイタイム』みたいなサイドストーリー物で人間としての厚みや可笑しさを主題にするかもしれない(ビーンやケイトゥの様な相方希望)。それもそれで期待したいけど、とりあえず本作は「完璧さ」という点でゆるぎない評価を勝ち得ているのではないか。文庫本の映画名作全史<超現代編>に載るのも当確だろうと思う。
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