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[コメント] ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル(2011/米)

ダニエル・クレイグ以降の007シリーズが切り捨てたコミカル面をカバーするという宣言と思えば、ミスしまくるイーサン・ハント(トム・クルーズ)やブルジュ・ハリファの高層階に設置されたサーバールームといった設定に関する甘さも十分許容できる。
Master

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ブラッド・バードを監督に据えたところで、この路線は想定できなくもなかったのだが、若干面食らった部分もある。だが、1人の敏腕スパイが上手いことして諸々の危機を乗り切るという他でもある話からチームで難題に向かうという話にシフトできているので、本作は十分成功といえるだろう。サーバールームから元の部屋に戻ってくる際に頭をぶつけてみたり、ブラント(ジェレミー・レナー)が巨大な排気ファンがあるところへ飛び込む前に執拗に準備運動をさせたり、それこそMr.インクレディブル的なシーンがあるのも差別化という意味で非常に効果的と考える。

設定の細かいところを突っつけば、高層階のしかもガラス張りの壁面がある部屋に全体のシステムを制御するサーバーなんて置くわけがないとか、サーバー室がことごとく無人と言うのは考えづらいとか、イーサンたちは全く後ろ盾がない状態になっているにも関わらずジェット機を問題なく調達できているとか色々な疑問点はあるし、根本的に悪役の存在感がかなり薄いのと、インドシーケンスの練りが甘いのが残念といえば残念ではあるが、 全体的には十分な出来と考える。

あと一点、モロー(レア・セイデゥー)がストーリー上からあっさり消えるのが本作に関しては残念ではあるが、冒頭のコード強奪シーンにおけるクッション射出描写や最後にイーサンとブラントが話すシーンにある「妻の死体を見たのか?」という台詞から、おそらく次作以降もモローというキャラクターはしれっと出てくるのではないかと推測する。彼女の死体は全く画面には出てきていないので。その期待値も含めてこの評価とする。

(2011.12.24 新宿ピカデリー)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (8 人)ロープブレーク[*] chilidog[*] おーい粗茶[*] ALOHA[*] 死ぬまでシネマ[*] 月魚[*] すやすや けにろん[*]

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