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[コメント] ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬(2011/英)

前半の中国で秘密兵器となる鍵を奪った暗殺者をジョニー・イングリッシュが追うシーンが、近年の『007』シリーズのスタイリッシュなアクション演出を皮肉っていて非常に面白かった。
わっこ

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2003年のコメディ映画『ジョニー・イングリッシュ』の8年ぶりの続編。

今回は、ある任務の失敗でチベットの僧院で修行していたジョニー・イングリッシュが新しい上司の依頼で中国首相暗殺の阻止のために復帰する展開。

前作はスパイコメディ映画ながら、あえて『007』シリーズのようなスパイ作品のパロディを入れないのが特徴ではあったが、今回はバンバン『007』シリーズなどのパロディを入れている。

前作は、スパイ映画のパロディネタを入れないで笑いを作ろうとする努力は感じられたが、それ故に笑いのバリエーションが少なく、後半は飽きてしまう要因になっていたが、今回はパロディネタが満載だからか展開が安定していた。

特に良かったのが、前半の中国で元CIAの情報提供者から提供された3つ合わせると秘密兵器となる鍵を奪った暗殺者から鍵を奪い返すシーンで、逃げる敵が『カジノロワイヤル』に登場する敵の如く軽快に逃げるのだが、追いかけるジョニーは慌てずに原始的な行動で追い詰めていき、あっさり敵を倒してしまうところ。近年の『007』シリーズのスタイリッシュなアクション演出を皮肉っていて非常に面白かった。

アクションも今回は中盤の裏切り者の嫌疑をかけられたジョニーが電動車椅子でチェイスを繰り広げるシーンが、なかなか斬新で面白かった。

ただ今回はせっかく序盤で、前作のような自信を持ってやった行動が空振りなのに、本人は気づかないというパターンなどのジョニー・イングリッシュのキャラから脱却を図ったのに、それ以降は元のドジキャラに戻ってしまったのは頂けない。

今回は修行していたという伏線もあるのだから、ジョニーを変にドジキャラにせずに、危なっかしいながらも、有能なところも披露するというキャラに改変してもいいと思う。

ギャグ演出に関しても、ジョニーが中国人の老婆の殺し屋と勘違いして、別人を攻撃してしまうシーンが、結局、ストーリーの本線とあまり関係が無く終わってしまっているのも今ひとつだった。

(評価:★3)

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