[コメント] ドラゴン・タトゥーの女(2011/米=スウェーデン=英=独)
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物語の序盤からクライマックス、そして謎解きまでの長尺を全く感じさせずに一気に引っ張る手管には、まじめに感心した。
もちろんそこにはジェームズ・ボンドのあとかたも感じさせずに普通のおっさんを演じているダニエル・クレイグ(鍛え上げた肉体をあまり披露しないようにしている)と、痛々しい清純さの裏表にとてつもない屈折と危険さを併せ持つ女性を演じるルーニー・マーラという素晴らしい主演俳優に加えて、助演陣の重厚さや北欧の独特な風景も全てが活かされていると感じる。
閉鎖的な環境での血縁者が織り成す業の深い物語は「犬神家の一族」をはじめとする横溝ミステリーにも通じるものがあるし、そうするとダニエル・クレイグの金田一的役回りも非常に面白いなと思う。
ただ、長尺ながらも、それを上回るような、ものすごい物語を詰め込んでいるので、どうしても追い立てられているような雰囲気があり、あとでゆっくり考えて初めて分かるようなシーンも結構あった。特にヒロイン、ルーニー・マーラがダニエル・クレイグに惹かれていく心の動きがすっ飛ばされているので、突然の展開に戸惑ったりもした。
エンディングはルーニー・マーラの切ない想いのまま終わってしまうのだが、続編の制作が予定されているとあって、二人のこれからの成り行きがものすごく興味深い。
しかし彼女「あたしに触れるとやけどするよ」どころじゃなくて、かなりヤバいよなあ...人殺しで快感を得ているフシがあるし...
繰り返しになるが、内容が相当えげつないので、ダニエル・クレイグのイメージだけでデートムービーに選択するのだけはやめといたほうがいいと思う。
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