[コメント] わが母の記(2012/日)
湯ヶ島、世田谷、軽井沢…入念な考証に基づき昭和の風景と文化をしっとりと画面に定着させる一方、女性に囲まれた華やかな一族はアメリカのシット・コメディばりの軽妙な台詞の応酬でリズムを作り、
リゾートホテルでミムラと宮崎あおいがじゃれ合うシーンはイギリスの上流階級を描いた映画みたいな手触り。映画の世界に何時までも浸っていたいような心地よさ。
回想シーンをほとんど使わずに、母と息子の生き様に思いを至らせる手腕は秀逸。また、数少ない回想シーンであるからこそ、土砂降りの軒下での母子のショットの印象が強く残る(ちょっと小津の『浮草』を彷彿とさせる)。
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