スペインの感染ホラー､『ＲＥＣ』のシリーズ３作目｡

今回は結婚式の披露宴会場で１作目での感染源と思しき犬から負傷した人物から感染が始まる展開｡

２作目で明らかになった､感染に悪魔が絡んでいるという設定も引き継がれているが､過去２作のような手持ちカメラの映像はオープニングのみで､以降は普通の映像による展開だし､過去２作とストーリー的な繋がりもあまり無いので､アナザー･ストーリーという印象｡

今回は､感染した叔父から始まった惨劇に巻き込まれ､離れ離れになった主人公夫婦が感染者の襲撃を逃れ､再び出会えるのか､また無事に脱出できるのかという部分が話の核となっているので､登場人物に感情移入しやすく､ストーリーも先の展開を予想する楽しみがある｡

また､ヒロインが感染者にチェーンソーで応戦するというアクション要素も加わったことで､単純にホラー映画で終わらずに娯楽要素に富んでおり､なかなか面白かった｡

ただ､せっかく主人公夫婦が無事に出会えるのかをあれだけ煽っていたのだから､最後は素直に主人公夫婦の脱出する展開で充分｡ここで唐突に悲劇的展開に持っていたのには興醒め｡最後の難聴の老人の感染者は正直､主人公夫婦の悲劇の道具に使うより､披露宴会場を囲んでいた軍の隊員を襲うか､披露宴会場を抜け出した感染者が外にいる人物に襲いかかり､感染が始まる展開の方が違和感が無かったと思う｡