私は頭が悪いのでミステリというジャンルが苦手で、犯人を推理したりする事に喜びを見出せないタイプなので、ついつい推理系は避けてしまいがちです。だからかは分かりませんが「犯人は誰だ！」的な正攻法で作ってこない市川崑の金田一はなんだか好きです。殺しのトリックとか正直種明かしされてもピンと来ない私にとって、そこじゃない部分で楽しませてくれる崑ちゃんのミステリはニュータイプミステリなんです（逆に、純粋に推理小説が好きな人は面白くないと思うのかも知れないけど）。

でも今作はどちらかと言うと、謎解きの比重がちょっと重くなっている気がしました。ピーターのキャラとか、奇抜な極彩色で強烈なインパクトの三姉妹もすごく面白いし、いつもの市川崑ならもっとこのキャラたちを上手く使ってると思う。

でもね。今回私はこの作品を金田一シリーズ2作目だと思って借りてきたんだけど、どうやら3作目だったみたいだし、という事は1977年に2作も撮ってたって事だから、あえて作品の毛色を変えてきたのかも知れない。そう思うとやっぱり市川崑はセンスあるわぁ…！という結論に落ち着く訳です。これは鑑賞後に感じた事なので、純粋な評価にはならないですけど。

飛ばしてしまった『悪魔の手毬唄』はガチガチの崑ちゃんワールドだといいなぁ。

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08.10.30　記