[コメント] 獄門島(1977/日)
前2作が予想外の成功をおさめてしまった市川崑の悩みに悩んだであろう苦労が垣間見れる作品だが…。
改変された物語の立場上、後半は柱的な形となってしまった大原麗子の役者としての弱さが前に出てしまい、最後はグタグタな展開になってしまった印象を与えるところは、これはもう「無残やな…」と嘆くしかないだろう。
しかし、それに反して佐分利信はもちろん三木のり平や大滝秀治、あるいは三谷昇やふんどし姿の小林昭二、そしてとどめの東野英治郎といったベテランたちの快演、また草笛光子や太地喜和子、そしてピーターの怪演、さらには第1作ファンには嬉しい坂口良子の復活や今となっては涙ものの荻野目慶子の名子役ぶりなど、脇役陣の楽しさという点ではこちらもシリーズ随一といった充実ぶりだし、また市川崑演出の馬鹿馬鹿しいまでの遊び心も、これもまた捨てがたい魅力を放ち、私の心を捉えて離さない。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。