アウトレイジを見たときに、２ができたらラストはこうだろうなとなんとなく思ったとおりのラスト。そのラストから逆算して作られたような本編の筋立て。ちっさい人物がおっきな組織のトップに収まったあとの話だからか、話自体が小さい小さい。

アウトレイジを見たときに、こりゃあまるで企業ものだと思ったけれども、ちっさい人物に振り回される話では、あまりに現実の企業に近づきすぎて映画的なカタルシスがない。ファンタジーを超えて現実を接写したのがビヨンドということなんだろうけど、現実の企業の怖さにヤクザ映画の怖さが負けてるんだから点数辛めは仕方がない。北野監督はカタルシスなんてものに映画の価値をおいてないだろうことも細部の描写（特に死に方の数々）の見事さを見ればわかるけど、やっぱり映画には日常を忘れさせて欲しいのよ。

『アウトレイジ』だけでよかった。