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[コメント] アルゴ(2012/米)

クライマックスのヤキモキさを煽る演出も冴えているが、特筆すべきは序盤の大使館に暴徒が傾れ込むシークェンスの臨場感だろう。現場の不安と恐怖がまざまざと伝わってくる。
緑雨

**ネタバレ注意**
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バザールにロケハンに行く途中、マイクロバスがデモ隊に囲まれるシーンの緊迫感も含め、ヒートアップする群衆の恐ろしさが脳裏に植えつけられる。だからクライマックスもますます手に汗握る。

エンドクレジット前の対比写真を観ても「再現」に相当力を入れたことがよく分かる。そのこと自体にあまり意味はないと思うが、そこまで本気で往時の緊迫感を創り上げろうとした姿勢の表れだろう。それと、これは「ひげ面」の映画ですね。アフレックも、大使館員たちも、イランの革命隊も顔面にひげをたくわえている。その「暑苦しさ」がまた効果を生む。

欲を言えば、2点。映画企画のバカバカしさを笑いに繋げる役目は専らアーキン&グッドマンが引き受けているが、例えばロケハンのシーンあたりでもう一段ドタバタがあるかなと期待していた。もう1点、中止命令により作戦遂行が途中で危うくなった件り、アフレックの独断で強行されるわけですが、上司(ブライアン・クランストン)によるリカバリがあまりに順調すぎてご都合主義に感じる。もう少しスマートに描いて欲しかった感あり。

もちろんアフレックの演出が非凡であるとはいえ、これは映画化権を得た時点で勝利ですね。最高の素材。

(評価:★4)

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