技巧派という奴か。創り上げてしまった三角関係をうまく解消すべく、映画作家はいちばん安易であとくされのない方法をとったが、その後残されたふたりの幸福劇を避け、なおも効果的に話を展開するテクニックも作家は知っていた。見事と言わねばなるまい。なお、「霧子」というキャラクターは最後まで登場しない。そして松原智恵子は驚嘆すべき棒読み女。