[コメント] 破れかぶれ(1961/日)
話は、将来という概念の欠落した若造(川地民夫)と、実態としての将来が描けない三十路女(渡辺美佐子)の「共依存&偏愛どん詰まり」もの。ともすれば感情まかせの役者の力演に頼りがちな設定だが蔵原惟繕演出は二人の行動を淡々と追うだけ。実にクール。
ビートを効かせたラテン風の音楽(佐藤勝)もとってもカッコいい。
年上マダム加代(渡辺)が、ダメンズ光夫(川地)に注ぐ理屈抜きの度を越した“愛情”の執拗ぶりは、いったい何に起因しているのだろうと考えてしまった。映画では描かれないが、きっと加代(渡辺)には戦時中に幼くして亡くした弟がいたのでは・・・。1961年という時代から、そんなことを空想した。
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