[コメント] ザ・コール [緊急通報指令室](2013/米)
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見ました。面白かったです。ありがとうございます。
でも多分見方が逆でして、最後が面白かった。非現実的なラストだとは思いますが、だから良い。もし、よりリアルなエンディングが用意されていたとしたら、そこまでの印象にならなかったと思います。
スーパーヒーローが活躍するような映画ではなかったですよね。主人公・ジョーダン(ハル・ベリー)の犯したミスは、犯しがちではありそうですが、本当に初歩的と思えるミスでした。のちのケイシー(アビゲイル・プレスリンちゃん)との交信にしても、突然好きな映画を聞いてみたりなど、特別に機転の利いたことを言っている訳ではなかったと思います。
他の同僚たち、警官らにしても、犯人の車が降りた高速道路の出口まで分かっているのに、ヘリコプターまで使いながら、白いペンキを垂れ流す赤い乗用車を見つけられない。また、せっかく気づいた丘の上の小屋でも、ちょっと探して何も出てこないと、すぐ撤退とか言っちゃって、結局、あとで夜中に独りで来たジョーダンさえ見つけた携帯や地下室の入り口を見逃している。森の奥に捨てられていたという(途中で乗り換えた)黒い乗用車も発見できなかった。
通常の(ヒーローが活躍する)映画は、いろいろ事象は生じても、それをとにかく乗り越えて、ギリギリ現場に間に合うというパターンが多いので、正直、イライラの募る展開でした。
なので、上司から帰宅を命じられてもオフィスに残って録音を聞いていたジョーダンが、マイカーでこっそり現場に向かったのは、ちょっと意外な感じがしたのと同時に、実は期待感も膨らみました。リアリズムを重視するならあり得ない展開ですし、ここで突然ヒーロー(ヒロインですが)が活躍する話に転換してくれちゃうのかしらと。
そしたら、携帯を地下壕に落としちゃったりと、相変わらずドジを踏んでいる。衣装ダンスの扉の裏に隠れても、犯人に見つからないようにするのが精一杯で、何もできない。
ポイントは、ジョーダンに励まされて、徐々に“闘う女の子” に変身していった被害者自身、ケイシーちゃんだと思います。僕は、彼女のこの“変身”、説得力十分で、実に自然に受け入れることができました。
したがって、見終えては、念入りに計算されたプロットだったように思いました。リアルではないかもしれないが、いかにも映画らしい、あるいは映画だから許される、爽快なエンディング。やっぱこれ以外の終り方はあり得ないですよ。
80/100(15/01/24見)
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