[コメント] そこのみにて光輝く(2013/日)
貧乏と不幸せを凝縮したかのような池脇千鶴と菅田将暉の姉弟(および一家)、それを食い物にするお大尽・高橋和也という構図はけっして新しいものではないが、函館という寂れゆく土地への土着性と厳格なリアリティをもって描き、心揺さぶる。
菅田の人懐こいキャラクタの愛おしさ。フライパンから焼き飯をスプーンでワシワシと直接食べる様、ママチャリでの移動(一方で、高橋はどこに行くにも移動はベンツ、という対照)。一家が暮らすボロ家の空間造形、綾野剛が初めて訪ねたシーンで西陽に逆光となった池脇シルエットの美しさ。二人で海に入るシーンの高揚感と幸福感。一方で、綾野のトラウマは上手く表現しきれていない。そもそも発破仕事が象徴的に持つイメージがあまり伝わってこない。男の仕事を女性監督が描く限界か。
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